さとうです。オンラインヨーガでちあきさんの代打でオプションプログラムの「夜のプラーナーヤーマ」の撮影をしました。
沈黙▶︎ブラフマームドラー▶︎ブラーマリープラーナーヤーマ▶︎瞑想といった短いプログラムですが、すーーーっと沈静化する夜向けのいいプログラムです。

【ブラーマリー・プラーナーヤーマとは?】
ハタヨーガの文献、ハタヨーガ・プラディーピカー2章68(管原誠訳)のブラーマリープラーナーヤーマには、「ブリンガ蜂の雄の音を立てて急激に吸気し、ブリンガ蜂の雌の音で、ゆっくりと呼気する。ヨーガ行者の王の、このようなヨーガの実践により、ある種の喜悦が、心チッタに生じたのである。 」
と書かれています。解説には、
「8種類のプラーナーヤーマの6つ目、ブラーマリーです。 蜂の音を模しての呼吸を説いており、吸気が雄、呼気が雌、と使い分けることを言っています。では、実際にどのような音なのか、また音にどのような意味があるのか、また蜂は単に音だけを象徴しているのか、などなど考察すべき点があります。 私が調べた範囲では、蜂の雄と雌との羽音にどのような違いがあるのか、 調べがつきませんでしたので、これをお読みの方のご考察にお任せしたいと思います。 雄と雌の羽音に違いがある、という認識は古人の観察力の鋭さを表していて興味深いところです。 」
と解説されています。
翻訳されている方も、オスの蜂の羽音、メスの蜂の羽音の違いは読み取れないようで、修行者の経験知に丸投げしています。他の文献にも細かなことが書いてあるようなのですが、なかなか解読がむづかしい技術のようです。
実際に気付くことの多いとても深みのある呼吸法だと思います。
僕がブラーマリー・プラーナーヤーマを行う時に意識しているポイントがありますので、ほんの少しの参考までに書いてみます。
(※これはあくまでも個人的な経験からのポイントです)

まずは、快適で安定した姿勢で座ります。姿勢のセッティングはとても重要です。
お尻の穴が落ちないように会陰部を立てます(そうすると自然と腰から背骨が真っ直ぐと立ち上がり、腹部が伸びます)。
そのまま胸を軽く持ち上げていくと、さらに背骨がたちあがります。
そして、顎が上がらないように顎は床と並行にします(そうすることで首の後ろから背骨が引き上がります)。
口はしっかりと閉じておきます(そうする事で口の中に空気や唾液がたまらないようにしておきます)。
目はもちろん閉じています。
姿勢の安定を感じたらさらにリラックスをして、立ち上がった背骨にバランスを任せて、姿勢の違和感を消します。
そして一度鼻先で自然呼吸の観察をします…。
(ここまではどのプラーナーヤーマの練習でも同じです。)

【羽音でレゾナンスゾーンを探る】
さて、ブラーマリーです。
センターの練習では、急激な雄の羽音での吸気はせずに、ゆっくりと息を吸い込んで、吐く時に「N」の発音で(雌の羽音かはわかりませんが)「ん゛ー」と、振動を発しながら鼻からながく息を吐きます。
「ん゛ーーーーーーーーーー、、、」
ハッキリとした音量と振動で、頭部を中心に身体に音を響かせながら吐きます。
「ん゛ーーーーーーーーーー、、、」
何回か繰り返すと、音が安定してきます。
「ん゛ーーーーーーーーーー、、、」
以前、体験レッスンに来られた身体芸術家の方が、「この呼吸法は、発声練習をする時に意識するレゾナンスゾーンがハッキリわかって良いです」と言っていました。流石アーティスト、その暗黙知を良く表現してくれました!
「ん゛ーーーーーーーーーー、、、」
そうなんです。ただ「ん゛ーーー」の“音”を発声させるだけではなくて、その“振動”に共振するレゾナンスゾーン(骨伝導)を感じるのです。
「ん゛ーーーーーーーーーー、、、」
よーーく、注意深くやってみてください。
「ん゛ーーーーーーーーーー、、、」
僕の経験ですが、呼気の強さや音の高さ、前歯の上下の触れ合う具合や舌の位置でそのレゾナンスゾーン(骨伝導)が変化します。
「ん゛ーーーーーーーーー、、、」
そして、うまーーく入ると、僕の場合、顔の前の方、特に目の周りや眉間周辺の骨を震わせ、眩しい感じと頭部全体に優しい振動を感じることができます。
「ん゛ーーーーーーーーー、、、」
その特定のゾーンに振動を響かせ、しばらく続けていると、なんとも言えない心地よさが広がり、心が喜悦に和ぎ浸ります。
「ん゛ーーーーーーーーーー、、、」
ブラーマリープラーナーヤーマを練習される方は、その幸福の骨伝導を探してみてください。
「ん゛ーーーーーーーーーー、、、」
きっとなんとも言えない心地よさに達すると思います。
「ん゛ーーーーーーーーーー、、、」
そして、スーーーッとブラーマリー・プラーナーヤーマを終えた時、
それは青い夜の森のような静けさとなります。
おわり🐝